弁護士くろさんの雑記ブログ

受験時代に作成した演習書の解答例と司法試験の憲法の答案例をアップします。

ロースクール2年目から司法試験までの勉強方法

6 ロースクール3年生(2年目)前期

 コロナ禍でオンライン授業となり、必修科目は、前期が商法、行政法(救済法)、民事系の演習科目、刑事系の演習科目、法曹倫理、刑事実務科目がありました。

 商法は、2年生の時と同様に、担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業で、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 行政法はレジュメが配られるだけで授業が行われなかったので、自分で勉強方法を考えて実行するしかありませんでした。範囲は救済法ですので、処分性と原告適格の整理をする必要がありますが、答案の書き方がわかりませんでした。そこで、教科書の分類にしたがって、稲葉馨ほか編『ケースブック行政法〔第6版〕』(弘文堂、2018)に載っている処分性と原告適格判例を整理し、判例がどのような手順で検討しているのかを把握し、判例ごとに法令解釈の手法をメモし、判例のあてはめをまとめノートに追記しました。判例を読んだだけでは答案にどのように反映するか分からなかったので、書いてみる必要があると思い、友達と2人で相談し、司法試験の過去問の答案を書いてみようということになり、辰巳法律研究所が出しているぶんせき本の合格答案も参照しながら答案を書き、電話で検討し、その後自分で解答例を作成しました。前期は商法も必修科目があったので、行政法と商法の司法試験の過去問をそれぞれ5年分検討しました。

 

 民事系の演習科目と刑事系の演習科目は、過去の期末試験の事例問題を検討する授業でしたが、2年生の時とは異なり実務家教員が担当する授業で、授業後に自作の答案例を作成しましたが、理論的な説明が行われることが少なく、期末試験の過去問を見ていると授業で扱った問題は期末試験で出題されないことが明らかだったため2年生の時と比べると深い検討は行いませんでした。

 期末試験の2か月前からは2人で自主ゼミを組み、商法、行政法、法曹倫理、刑事系の実務科目の過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。

 

7 ロースクール3年生(2年目)後期

 後期の必修科目は、民事系の演習科目、刑事系の演習科目、憲法の演習科目、行政法の演習科目、民事実務科目がありました。

 行政法の演習科目は、北村和生ほか『事例から行政法を考える』(有斐閣、2016)の問題を検討する授業で、授業後に自作の解答例を作成しました。

 憲法の演習科目は、3人の教員のオムニバス形式で、ある論点に関する講義が動画配信される授業でした。授業を聞いて、憲法のまとめノートをブラッシュアップさせました。

 期末試験の2か月前からは、期末試験の対策を行いましたが、授業で取り扱った問題が出るわけではなく、民事実務科目を除いて司法試験のための勉強をしていれば対策になると考えたため、過去問の検討を行うことはしませんでした。

 そのため、ロースクール3年生の後期は、自分が立てた計画で勉強する時間的な余裕がありました。ロースクール入学当初から考えていたように、まとめノートはかなり洗練されてきましたが、自作の答案例については、授業の答案、期末試験の過去問の答案、司法試験の答案がありましたが、司法試験直前に読み直すための教材として有用なものに絞る必要があり、また、科目によっては他の教材の自作の答案例を作成することによって成長できる可能性があると考えました。その結果、司法試験直前に読み直すために、以下の教材の自作の答案例を新規作成又はブラッシュアップすることに決めました。

・司法試験 全科目のH23~R2

行政法  北村和生ほか『事例から行政法を考える』(有斐閣、2016)

民法   2年生のときの授業

・商法   伊藤靖史ほか『事例で考える会社法〔第2版〕』(有斐閣、2015)

・刑法   井田良ほか『刑法事例演習教材[第3版]』(有斐閣、2020)

 

 

 

8 ロースクール終了後~司法試験

 3月に模試があり、模試の結果、上位10%には入っていたため、これ以上論文の勉強をする必要はないと考え、当初予定していた通り、まとめノートと自作の答案例を読む勉強をし、勉強時間を減らして体調を整えるようにしました。

 他方で短答には自信がなかったため、午前中は司法試験の短答の過去問を解くことにし、10年分の過去問の解答を覚える勢いでやりました。おそらく15周くらいはしたと思います。

 司法試験の1週間前からは、司法試験の問題を読むことに慣れるため、令和2年から平成30年の司法試験の問題を読んで、答案構成をし、大体合っているかを自分で作成した答案例と照らし合わせる勉強を行いました。

 

9 まとめ

 私が司法試験の合格のためにした勉強方法は以上のとおりですが、自分に合った勉強方法は人それぞれであり、私の周りには、まとめノートを作成していた人はほとんどおらず、自作の答案例を作成していたという人は1人もいませんでした。

 自分には何が足りないかを考えることができ、一度勉強したことを忘れないようにする勉強方法を考えることは、最低限できるようにする必要はあると思いますので、私の勉強方法を参考に考えてみてください。

 

ロースクール1年目の勉強方法

3 ロースクール2年生(1年目)前期

 慶應義塾ロースクールの成績と司法試験の合格率に相関関係があるというデータを公表しており、ロースクールの期末試験で良い成績が取れれば司法試験に合格できると確信し、ロースクールの勉強をメインに司法試験の準備をしようと考えました。

 ロースクールに入学してからも、学部生の時に作ったまとめノートを持って授業に臨みました。当時のノートは、自分で重要と考えた判例の論証パターンを写しただけのものだったため、自分が理解しやすい言葉で書かれておらず、網羅性に欠けるものでしたので、授業の内容を追記し、自分が納得できる言い回しの論証パターンにしました。ロースクール入試の経験から、試験直前に読み直すまとめノートの有用性が高いと感じていたため、司法試験の直前に読み直すためのまとめノートの作成をメインとして、司法試験の勉強をしようと決めました。

 また、自作の答案例も、司法試験の直前に読み直すために有用だと考えるようになり、また、自作の答案例を考えることにより、文章を考える時間が短縮されることと、思考過程が明らかになることが分かり、自作の答案例の作成もメインとして司法試験の勉強に取り入れました。

 必修科目は、憲法民法、刑法、民事訴訟法、要件事実がありました。

 民法は担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業、民事訴訟法は三木浩一・山本和彦編『ロースクール民事訴訟法〔第5版〕』(有斐閣、2019)を検討する授業でした。民法民事訴訟法は、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 刑法は、専ら講義でしたが、井田良ほか『刑法事例演習教材[第2版]』(有斐閣、2014)の答案を提出する課題が毎週課されていたので、教科書を参照しながら自作の答案例を作成しました。刑法は、あてはめも重要な科目ですので、規範に対応したあてはめができるように、判例の考慮要素と判例のあてはめをまとめノートに追記しました。

 憲法は、判例を分析し、判例と事案が違ったら判断枠組みが異なるのかを検討する授業でした。私は非常に興味を持ち、学部生のときは憲法のまとめノートを作成していませんでしたが、憲法のまとめノートの作成に多くの時間を費やしました。授業のレジュメと横大道編『憲法判例の射程〔第2版〕』(2020、弘文堂)でまとめノートのベースを作成し、宍戸常寿『憲法解釈論の応用と展開〔第2版〕』(2014、日本評論社)、渡辺康行ほか『憲法Ⅰ基本権』(2016、日本評論社)を読んで思考過程をブラッシュアップし、曽我部真裕ほか編『憲法論点教室〔第2版〕』(2020、日本評論社)で答案に落とし込めるようなノートを作成しました。憲法もあてはめ(違憲審査基準定立段階)が重要な科目ですので、判例のあてはめをまとめノートに追記しました。

 

 

 

 慶應義塾ロースクールは期末試験の問題と採点項目が公開されていたので、期末試験の2か月前からは3人で自主ゼミを組み、過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。憲法民法、刑法については何度もオフィスアワーに通いました。

 

4 ロースクール2年生(1年目)夏休み

 夏休みは、4人で自主ゼミを組み、前期に授業があった憲法民法、刑法、民事訴訟法の司法試験の過去問4年分検討し、答案例を作成しました。

 並行して、前期の成績が悪かった民事訴訟法の勉強をしようと思い、教材選びに迷いましたが、判例百選の解説から判断枠組みを読み取り、田中豊先生『論点精解民事訴訟法〔改訂増補版〕』(民事法研究会、2018)を使って、判例の事案の要件事実を整理してまとめノートに追記する勉強をしました。

 

 

5 ロースクール2年生(1年目)後期

 後期の必修科目は、民法、商法、刑事訴訟法行政法(作用法)がありました。

 民法と商法は担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業で、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 刑事訴訟法は、井上正仁ほか『ケースブック刑事訴訟法[第5版]』(2018、有斐閣)を検討する授業でした。刑事訴訟法は、検討手順を把握することが大切ですので、斎藤司刑事訴訟法の思考プロセス』(2019、日本評論社)を使って整理し、あてはめも重要な科目ですので、規範に対応したあてはめができるように、川出敏裕『判例講座刑事訴訟法[捜査・証拠編]』(2016、立花書房)や判例百選を使って判例を整理し、まとめノートに追記しました。

 

 

 

 

 行政法は、特に復習はしませんでした。

 期末試験の2か月前からは3人で自主ゼミを組み、過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。行政法は何度もオフィスアワーに通いました。

 並行して、5人で自主ゼミを組み、前期に授業があった憲法民法、刑法、民事訴訟法の司法試験の過去問を3年分、刑事訴訟法を5年分検討し、自作の答案例を作成しました。

大学生の頃の勉強方法

1 大学3年生

(1)勉強方法の決定

 私が法曹を目指そうと決めたのは、3回生になる頃でした。

 私は法学部出身ですが、私が通っていた大学は中堅の私大であったのもあり、学内で法曹を目指している人を見つけるのは困難な状況でした。

 このような状況では、予備校に通うべきなのが一般的とは思いましたが、所属していたゼミの先生がTwitter(当時)で人気のある先生だったため、司法試験に関する情報をいろいろもっているだろうと考え、まずは、ゼミの先生に相談しました。

 ゼミの先生には、大学の法学部にチューター制度があることを教わり、ゼミのOBでチューターをしている人を紹介してくれました。チューター制度とは、私が通っていた大学の卒業生又はロースクールの修了生で、司法試験を受験した人が、アルバイトで学部生に対して勉強の相談に乗ったり、勉強を教えたりする制度です(学部生は無料で相談できます。私も司法試験受験後から弁護士になるまでの1年半チューターのアルバイトをしました。)。

 私はチューターの方と話をし、週に2日程度1コマ3時間、短文の事例問題を検討する勉強会をしてもらうことにしました(以下「チューターゼミ」といいます。後述するチューター担当者変更後の勉強会も「チューターゼミ」といいます。)。また、法学部の課外のカリキュラムで、私が通っていた大学を卒業した弁護士が、土曜日の1コマ3時間、法科大学院入試対策ゼミ(以下「土ゼミ」といいます。)が開講されていることを知り、受講することにしました。土ゼミの受講生は、当時3年生の私と、4年生の6人の7人であったため、一緒に勉強する人が見つかりました。学内に法学部が貸し出している勉強部屋(以下「研修室」という。飲食、雑談可。自習室というよりは部室に近い。)があり、土ゼミの4年生のうち4人は研修室で勉強しているのを知り、私はすぐに研修室の利用登録をし、研修室で勉強することにしました。

 以上の大学の提供するプログラムを使ってロースクールの入学を目指しました。

(2)内容

 チューターゼミでは、チューターが用意した民法の短文事例問題を15分で答案構成し、1時間で解説してもらいました。1コマ3時間だったため、これを2セット行いました。このゼミは、5月から始め、チューターの任期が満了する9月頃までありました。

 土ゼミでは、予備試験の憲法民法、刑法の問題を検討することになりました(土ゼミは私だけが3年生だったため、題材についてはロースクール入試を間近に控えている4年生の意見に従いました)。事前に答案を作成、担当の弁護士に提出し、土ゼミの時間では参加している学生の答案をたたき台として、担当の弁護士が議論の整理を行いながら進めました。これまでは大学の授業以外で法律の勉強をしたことがありませんので、当然答案を書けるはずがありませんし、4年生と議論できるだけの知識がなくて悔しかったですが、予備校等が出している答案例をベースに、教科書で問題となりそうな範囲を読み、一応の答案を書くこと、復習を怠らないことを徹底して行いました。

 3年生の秋ごろには、土ゼミの問題を見ても、論点がわからず、自分は成長していないのではないかと悩みました。土ゼミの担当の弁護士に相談したところ、模範答案を写す勉強を勧めてもらいました。研修室には旧司法試験の問題と予備校の答案がありましたので、3年生の10月から2月にかけて、全科目の答案をノートに写しました(以下「写経」といいます。)。写経によって、どんな論点があるのかを網羅的に知ること、答案の書き方を知ることができましたので、写経をしてよかったと思っています。

 年が明けた頃から4年生は土ゼミに参加しなくなったため、土ゼミは私と担当の弁護士のマンツーマンとなりました。土ゼミで何をするかを考える機会を与えられ、当時の私の目標はロースクールに入学することだったので、ロースクールの問題を検討すべきだと考えました。そこで、土ゼミでは、早稲田と慶應義塾ロースクールの入試の過去問(以下「ロー入試の過去問」といいます。)のうち、民法と刑法の検討をすることにしました。ロー入試の過去問は、問題文が短いことと典型的な問題がほとんどであることが良かったです。事前に答案を作成、担当の弁護士に提出し、ゼミでは答案作成の時に迷ったことを質問し放題という恵まれた環境でのゼミでした。

 

2 大学4年生

 4年生の間の多くは、引き続きロー入試の過去問を解きました。

 土ゼミは、当時4年生の私と、3年生が2人の3人のゼミとなり、ロー入試の過去問のうち憲法民法を検討しました。チューターは担当者が代わりましたが、新たな担当者にお願いし、ロー入試の過去問のうち、刑法と民事訴訟法、小林量・北村雅史編『事例研究会社法』(日本評論社、2016)の問題を検討しました。ゼミの先生が刑事訴訟法の研究者であったため、ゼミの先生にロー入試の過去問のうち、刑事訴訟法の添削をしてもらいました。また、刑法と憲法の先生と仲が良かったので、刑法と憲法については何度もオフィスアワーに通い、質問をしました。

 早稲田と慶應義塾ロースクール入試は8月末にありましたが、それまでに週に8通答案を書き、土ゼミ、チューターゼミ、ゼミの先生との勉強会、オフィスアワー(以下「総称して「ゼミ等」といいます。」をこなし、復習をしていたため、ゼミ等で検討したことがある問題については大体書けるようになっていました。

 しかし、ゼミ等で検討したことがない問題に出遭う度に、問題を見ても論点がわからないと悩むようになりました。3年生の秋に写経をしたことによって、論点さえわかれば、見たことがあると思う状態ではありましたので、もう一度網羅的に論点を把握し、論点の知識を深める必要があると考えました。

 そこで、判例百選に載っている判例を知ろうと考えて、夏休みの2週間を使って、判例百選の事案と判旨を読み、当時持っていた基本書に判例百選に対応する番号を書いた付箋を貼って判例百選と該当箇所の教科書を対照できるようにし、教科書で該当箇所の周辺を読みました。これによって、多くの判例を知ることができ、知識がかなり増えたので、実力がついたことを実感することができました。また、せっかく判例や教科書を読んだのに試験直前に忘れていることを防止するため、ワープロで自分が重要と考える判例の規範と規範に至る理由(いわゆる論証パターン)をまとめたノートを作りました。

 以上の勉強方法をとった結果、慶應義塾ロースクールに合格しました。

 その後は京都大学ロースクールも受験することにし、ゼミ等で京都大学ロースクールの入試の過去問の検討を続けました。京都大学は早稲田と慶應義塾と違って行政法が試験科目になるので、チューターゼミで土田伸也『基礎演習行政法〔第2版〕』(日本評論社、2016)を検討しました。しかし、不合格となり、慶應義塾ロースクールに進学することに決めました。

事例から行政法を考える事例⑥ 解答例

第1 設問1

1 Xは、Y市に対し(行訴法11条1項1号)、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)7条1項、2項に基づく収集運搬業の許可の更新のうち、営業地区をα地区に限定した部分の取消訴訟(行訴法3条2項)を提起することが考えられる。

(1)営業地区をα地区に限定した部分は、廃掃法7条1項、2項に基づく許可の更新とは別に、廃掃法7条11項前段に基づき営業地区を限定する義務を負わせるから、附款のうちの負担にあたる。

 附款がなければ当該行政処分自体がなされなかったと客観的に認められる場合には、当該処分全体が違法性を帯びているから、附款だけの取消訴訟は提起できない。

 そこで、附款の取消訴訟は、附款がなくても公益上の障害が生じないといえるときに限り認められる。

 平成18年3月にXの創業者であるCが死亡した後、DとEとの間で、Xの経営権をめぐる紛争が生じ、α地区およびβ地区内では、D派とE派の従業員らが入り乱れて業務を行う状態に陥った。そして、平成27年9月にEがXを解雇され、Eに追随した従業員らがXを退職するに至り、平成28年度および平成29年度のし尿・浄化槽汚泥清掃業について、Xは許可の更新を、Eは新規の許可をY市長にそれぞれ申請するところとなった。そのため、α地区およびβ地区の許可の更新を認めると、XとE派の従業員らが入り乱れて業務を行う状態が続くし、人数的に生活環境の保全及び公衆衛生の向上(廃掃法1条参照)に資する収集運搬が期待できない。そのため、α地区に限定しなければ、公益上の障害が生じ得るから、廃掃法7条5項1号の許可基準に反し、附款がなければ許可の更新自体がされなかったといえる。

(2)したがって、附款だけの取消訴訟を提起することはできない。

2 そこで、Xは、Y市に対し(行訴法11条1項1号)、廃掃法7条1項、2項に基づく許可の更新全体の取消訴訟(行訴法3条2項)と申請型義務付け訴訟(行訴法3条6項2号)を併合提起(行訴法37条の3第3項2号)して争うべきである。

第2 設問2

1 取消訴訟原告適格は、「法律上の利益を有する者」に認められる(行訴法9条1項)。

2 「法律上の利益を有する者」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう。そして、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数者の具体的利益を専ら公益に吸収解消させるにとどめず、個々人の個別的利益としてもこれを保護すべき趣旨を含むと解される場合には、「法律上保護された利益」にあたり、原告適格を有する。

 Xは、「処分の相手方以外の者」であるから、「法律上保護された利益」を有するかどうかは、9条2項によって判断する[1]

 Xは、営業上の利益を主張することが考えられる。この利益は、「法律上保護された利益」といえるか。

(1)一般廃棄物収集運搬業の許可

 ア Eに対する一般廃棄物収集運搬業の許可処分の根拠は、廃掃法7条1項である。同条3項1号は、許可要件として、「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難である」と定めている。これは、生活環境の保全や公衆衛生の向上を図ることを究極目的のために(廃掃法1条)一般廃棄物の適正な処理は市町村の責務である(廃掃法4条1項)としていることに基づく。そのため、一般廃棄物収集運搬業は、本来的な自由とはいえない。

 そして、「申請の内容が一般廃棄物処理計画に適合する」こと(廃掃法7条3項2号)を許可要件としており、一般廃棄物処理計画(廃掃法6条1項)には、「一般廃棄物の発生量及び処理量の見込み」(2項1号)や「実施する者に関する基本的事項」(4号)を定めるものとしている。また、「申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合する」ことを許可要件とし(廃掃法7条3項3号)、環境省令では経理的基礎が求められている。これは、市町村長が許可の判断をする際に需給の適正化を考慮することが求められていることに基づく。

 さらに、事業停止命令(廃掃法7条の3)、許可取消し(7条の4)、廃業の届出(7条の2第3項)が規定されており、許可が付与された後も、需給適正化が図られる仕組みが採られている。

 以上のことから、廃掃法は、収集運搬業許可の際に、需給の適正化を考慮することにより、競争業者の営業上の利益を保護する趣旨を含むといえる。

 イ 収集運搬業は、公共性の高い事業であるところ、仮に、収集運搬業許可が違法になされるとすれば、過当競争が生じ、適正な処理が行われなくなり、生活環境や公衆衛生の悪化が起こり得る。そし、それが継続すれば、地域の住民の健康被害を生じかねない。そのため、このような住民の生活環境や健康の利益を保護するための営業上の利益は公益に吸収解消できる利益ではない。

 ウ そこで、市町村長から既に廃掃法7条に基づく収集運搬業許可を受けている者は、「法律上保護された利益」を有し、原告適格が認められる。

 Xは、一般廃棄物収集運搬業許可をα地区に限定して更新されているから、「法律上保護された利益」を有する者であり、原告適格が認められる。

(2)浄化槽系創業の許可

 ア Eに対する浄化槽清掃業の許可処分の根拠は、浄化槽法35条1項であるが、浄化槽法の仕組みからは営業利益を保護する趣旨を読み取ることはできない。営業利益は社会相互関連性が大きいから、公益に吸収される。

 イ もっとも、浄化槽の清掃により生ずる汚泥等の収集、運搬につき、これをするために必要な一般廃棄物処理業の許可を有しない者は、浄化槽法36条2号ホ所定の事由があるとした判例がある。そのため、廃掃法7条1項に基づく収集運搬業許可は、浄化槽清掃業の許可処分の前提となっているといえるから、廃掃法が「関係法令」(行訴法9条2項)。

 ウ そうすると、(1)で述べた通り、Xには原告適格が認められる。

3 よって、Xは、Eに対する一般廃棄物収集運搬業の許可および浄化槽清掃業の許可の取消訴訟を提起する原告適格を有する。

 

[1] 小田急訴訟(最大判平成17・12・7民集59巻10号2645頁、CB12-10)。

事例から行政法を考える事例⑤解答例

 

第1 設問1

1 本件給付金等のそれぞれに係る支給行為に「処分」性(行訴法3条2項)は認められるか。

(1)「処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう[1]

(2)地方公務員等共済組合法(以下「法」という。)42条1項は、短期給付を受ける権利を定めているところ、本件給付金は、法53条の「短期給付」と法54条の附加給付として「これに準ずる短期給付」であるから、法42条1項の対象となる。

 法42条1項は、短期給付を受ける権利を請求に基づいて組合が決定するものであるから、「申請」(行手法2項3号)に対する処分といえる。また、法117条1項は、短期給付に関する決定に関し不服がある者に対し、審査請求を認めているから、法42条1項に基づく決定が「処分」であることを前提とした仕組みとなっている。

 したがって、組合が優越的地位に基づいて一方的に行う行為であるから、公権力性が認められる。

 法42条1項に基づく決定がされることにより、短期給付を受けることができるから、法効果性が認められる。

 よって、本件給付金の支給行為には「処分」性が認められる。

(3)これに対して、本件定款に基づく一部負担金払戻金、及び本件要綱に基づく入院見舞金は、法42条1項の対象とならない。また、法令に根拠を持たないから、処分性は認められない。

2 返還請求書交付行為に「処分」性は認められるか。上記1と同様の基準で判断する。

 返還請求書交付行為は、「組合」が、法42条1項に基づき、一方的にする行為であり、本件給付金等を有することができなくなる地位に立たされるから、処分性が認められる。

第2 設問2

1 共済組合は、法に基づいて設置され、常時勤務することを要する地方公務員を組合員として組織される団体で、組合員資格の得喪は、一定の事実に基づいて自動的かつ強制的に行われている。そのため、共済組合の性質は、公共組合である。

2 本件では、X理事長であるPが、書面を交付しているが、返還請求書交付行為は、法42条1項に基づき、「組合」が行政庁として行う処分である。「組合」は、法人格を有し、国又は公共団体に所属していないから、組合が被告となる(行訴法11条2項)。

第3 設問3

1 Xは、Yに対し、不当利得返還請求(民法703条)をしている。

2 返還請求書交付行為は、法42条1項に基づき、法42条2項に基づく本件給付金等の効果を失わせるものである。

 法62条2項は、地方公務員災害補償法の規定による通勤による災害に係る療養補償が行われるときは、療養の給付等の支給は行わないことを定めている。

 Yは、平成28年5月、本件傷病に関し、通勤災害との認定を受け、地方公務員災害補償法所定の療養補償としての金員の支給を受けたため、法62条2項に該当する。地方公務員災害補償法に基づく支給は、通勤災害の認定に時間を要するため、法42条2項の要件事実をみたさなくなったことは、後発的瑕疵である。

 したがって、返還請求書交付行為は、講学上の撤回にあたる。

 授益的処分の撤回は、処分の成立時に瑕疵がないことを前提とするから、法的安定性を害する。

 そこで、行政処分の法的性質、撤回すべき公益上の必要性と撤回を受ける者が被る不利益の較量、撤回の原因となった事実などを総合し、撤回すべきといえるときに限り、行政庁はその権限において撤回することができる[2]

 法の趣旨は、災害に関して適切な給付を行うことにある(法1条)。そのため、62条2項は、重複支給の場合には義務的に撤回を求めていると解される。これに対して、給付を受ける者は、法に基づく給付と地方公務員災害補償法に基づく給付の二重の利得を得ることになるが、一方の給付をすることによって、救済は十分に図ることができる。したがって、組合は、本件給付金等の支給を撤回すべきである。

 以上のことから、42条2項に基づく撤回は、遡及的に無効となるべきである。

3 よって、Xの請求は認められる。

 

 

[1] 大田区ごみ焼却場設置事件(最判昭和39・10・29民集18巻8号1809頁、CB11-2)。

[2] 菊田医師事件(優生保護医指定撤回事件、最判昭和63・6・17判時1289号39頁、CB2-4)。

事例から行政法を考える事例④ 解答例

第1 設問1

1 本件通知は、取消訴訟の対象となる「処分」(行訴法3条2項)にあたるか。

2 「処分」とは、公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう[1]

(1)養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの設置者は、設備及び運営についての条例の基準を遵守する義務を負っている(老人福祉法(以下「老福法」という。)17条3項)。また、設置者は、老福法11条に基づく委託を受けたときは、正当な理由がない限り、拒んではならないとして、老人を受託することを義務付けられている(老福法20条1項)。そのため、本件募集要項に係る契約の相手方の意思決定の自由を制約している。

 しかし、本件通知は、本件募集要項に定められた、「施設と建物と備品を無償で譲渡し、建物の敷地を当分の間無償で貸与する」という契約の相手方の選定をした旨の事実の通知である。そのため、本件通知は、契約の一段階といえるから、公権力性は認められない[2]

(2)X₁は、本件通知の違法確認訴訟を提起して救済を受ける余地があるから、権利救済の実効性は一定程度確保されている。

3 よって、本件通知に「処分」性は認められない。

第2 設問2①

1 本件条例は、取消訴訟の対象となる「処分」にあたるか。第1の2の基準で判断する。

2 本件条例は、地方自治法244条の2第1項に基づき、立法作用であるY市議会が可決したものであるから、公権力性が認められる。

(1)条例制定行為は、国民の地位を一般的・抽象的に変動させるから、直接性が認められないのではないか。

 ア X₃は、介護保険法の下、Y市との間で締結する利用契約に基づき特別養護老人ホームに入所しているから、施設選択権を有している。

 イ X₂は、老福法11条1項1号の措置に基づき養護老人ホームに入所しているから、施設選択権は認められない。

 しかし、養護老人ホームは、入所者が自立した日常生活を営み、社会活動に参加するために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことを目的とする施設である(老福法20条の4)から、特別な需要に基づき特別なサービスを受けられる施設といえる。そのため、養護老人ホームの入所者は、継続的に特別なサービスを受ける期待権を有する。

 ウ 本件条例は、A園を廃止するという効果を発生させる。そして、養護老人ホーム及び特別養護老人ホームに入所中の者という特定の者に対し、施設選択権あるいは継続的に特別なサービスを受ける期待権を侵害するから、直接性が認められる。

(2)取消訴訟の認容判決は、第三者効が認められる(行訴法32条)から、これによって、入所者との間に判決効を及ぼすことが合理的である。

3 よって、本件条例には「処分」性が認められる。

第3 設問2②

1 X₂及びX₃は、本件条例は、人格権を侵害し違法であると主張する。

(1)本件条例に係るA園の廃止は、地方自治法244条の2第1項により、条例事項とされており、「公の施設」(244条1項)の必要性の判断が求められるから、Y市議会には立法裁量が認められる。

 そこで、必要性・合理性が認められないときに限り、裁量権を逸脱濫用し、違法となる。

(2)養護老人ホーム及び特別養護老人ホームの廃止にあたっては、市町村は、都道府県知事に対して届出をすることが義務付けられている(老福法16条2項)。その内容として、「現に入所している者に対する措置」が求められる。そのため、現に入所している者の利益が保護されている。また、設問2①で述べた通り、入所者には、継続的に特別なサービスを受ける期待権がある。そうすると、Y市議会はこれに配慮して条例の廃止を検討すべきである。

 Y市は、A園の入所者とその家族に対して説明会を実施し、民間移管の条件として、引き続き入所を希望する利用者を入所させること、受託事業者の職員に対し平成26年1月から施設での引継ぎと研修に当たらせること、移管後一定期間、Y市の介護職員を派遣することなどを提示する旨を説明した。しかし、一部の入所者からは、介護職員の交代により養護の水準・内容が低下することや、運営方針の転換や経営事情の悪化を理由に退所・転所を迫られることに対する強い危惧が表明された。それにもかかわらず、本件条例を制定することは、入所者の利益を配慮したとはいえない。

(3)よって、裁量権を逸脱濫用し、違法である。

2 X₂及びX₃は、説明会において意見を表明する機会が十分に与えられなかったことが、老福法12条に違反すると主張する。

(1)手続上の違法があったとしても、実体法上適法であるときは、処分を取り消したとしても同じ内容の処分が繰り返される可能性がある。そのため、手続の違反が常に取消事由とはなるわけではない。もっとも、適正な手続によって処分を受ける権利が害されるから、手続遵守が求められる。そこで、手続違反が重大である場合は取消事由となる。

 老福法12条の趣旨は、行政庁の恣意を抑制し、処分の適法性・妥当性を担保して国民の権利利益の保護を図ることにあると考えられる。

 意見表明の機会が不十分であると、行政庁の恣意を抑制できず、国民の権利利益の保護を図ることができないから、重大な違法といえる。

(2)よって、取消事由となる。

 

[1] 大田区ごみ焼却場設置事件(最判昭和39・10・29民集18巻8号1809頁)。

[2] 最判平成23・6・14裁時1533号24頁。

事例から行政法を考える事例③ 解答例

 

第1 設問1

1 Y県教育委員会は、地方公務員法(以下「法」という。)29条1項1号、3号に基づきXを懲戒免職処分としている。

2 法29条1項1号は、「この法律に違反した場合」を定めており、本件では、法33条違反が考えられるところ、法33条は、「その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為」を禁止するという抽象的な文言を定めている。法29条1項3号は、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」という抽象的な文言を定めている。そして、法29条1項柱書は、懲戒処分として「戒告、減給、停職又は免職」の選択肢を示している。

 そのため、懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の右行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定すべきであるから、Y県教育委員会には、懲戒処分について、要件裁量と効果裁量が認められる[1]

 そこで、重要な事実の基礎を欠くことになる場合、又は、その内容が社会観念に照らし著しく妥当性を欠くことになる場合に限り、裁量権の逸脱濫用として違法となる(行訴法30条)[2]

3 Y県教育委員会は、教職員に対して「『懲戒処分等の指針』の一部改正について」という通達を出している(以下「本件通達」という。)ところ、本件通達の性質は、裁量基準であり、処分基準(行手法12条1項)である。

(1)本件通達は、酒気帯び運転をした職員は原則として免職とすることを定めている。Xは、この規定は、合理性を有しないから、合理性を有しない本件通達に従った懲戒処分は違法であると主張する。

 平成18年8月にH市の職員の飲酒運転によって幼い子供3人が死亡する交通事故が発生したことから、「懲戒処分等の指針」を改正して、飲酒運転を理由とする懲戒処分の内容を厳格化している。もっとも、改正前の第3の4(2)を適用することによっても、人を死亡させた場合に免職とすることはできるから、一律に免職とする本件通達には合理性はない。

(2)本件通達は、「例えば飲酒後相当の時間経過後に運転した場合には3月以上の停職とすること」が記載されている。

 Xは、平成28年1月10日20時00分頃から23時30分頃まで飲酒し、翌11日午前7時すぎに自己が所有する車両を運転している。そのため、飲酒後7時間以上経過しているから、「飲酒後相当の時間経過後に運転した場合」にあたる。しかし、Xは本件通達と異なる免職処分がされている。

 裁量基準は、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものだから、処分が裁量基準に従わないとしても、原則として、当不当の問題であって、当然に違法とならない[3]

 もっとも、公表された基準と異なる取扱いをするならば、平等原則や信頼保護の原則の観点から、行政庁として合理的根拠が必要である。そこで、合理的な根拠なく裁量基準と異なる取扱いをすることは裁量権の逸脱濫用として違法である[4]

 ア Xは、道路交通法65条1項に違反した行為を行ったことにより、90日間の免許停止処分(道路交通法103条1項)と罰金30万円の略式命令(道路交通法117条の2の2第3号)を受けている。Y県教育委員会酒気帯び運転の根絶に向けての取組み等を幾度となく行っている状況にあるにもかかわらず、Xが酒気帯び運転を行ったことは、生徒に範を示す立場にある教師としてあるまじき行為であり、教育現場に及ぼす影響は、極めて多く、教育への信頼を著しく失墜させたといえる。したがって、Y側は、裁量基準に従わない合理的根拠があると主張する。

 イ 「懲戒処分等の指針」は、かなり以前から公表しており、本件通達は、教職員に対して出されている。そのため、本件通達に従った処分がされることに対する信頼が生じている。Xは、これまでに懲戒処分を受けたことはないし、不祥事を起こしたこともない。また、Xは、人身事故や物損を起こしたわけでもないから、本件通達に従わない合理的根拠はない。そのため、Y県教育委員会が飲酒運転の根絶に向けて取組みを行っていることのみを本件通達に従わない免職処分をすることの理由とすることは、信頼保護原則に反する。したがって、裁量権の逸脱濫用に当たり、違法である。

第2 設問2

1 取消訴訟における違法性の判断基準時は、処分時である。Xの飲酒量に関する主張が不自然に変化していることは、処分後の事情であるため、違法主張は許されないとの主張が考えられる。

 もっとも、処分時からXの飲酒量に関する主張が不自然に変化していることは、Xが自らの酒気帯び運転を反省していないことの証拠となるため、本件懲戒処分の理由として追加することは、違法性の基準時に照らして妨げられることにはならない。

2 Y側の主張は、処分理由の追加である。取消訴訟の訴訟物は、処分の違法性一般であるから、訴訟物についての攻撃防御を許すことが訴訟経済に適う。

 そこで、処分の同一性が失われない限り、処分理由の追加的・交換的変更は許される。

 法29条1項1号、3号にあたるし、効果裁量を基礎づける理由の追加にすぎないから、処分の同一性は認められる。

 もっとも、行手法14条1項は、不利益処分をする場合に理由の提示を義務付けている。その趣旨は、行政庁の恣意的な判断を抑制することと不風申立ての便宜にある。そのため、理由提示の趣旨を損ない、原告に不利益を与えるときは、信義則上理由の差替えを制限すべきである。

 Yは、Xの酒気帯び運転に替えて別の非違行為を理由とするわけではなく、同一の酒気帯び運転について、反省していないという心理状態の変化を処分の理由として追加している。そのため、行政庁の恣意的な判断のおそれは小さいし、また、法49条1項は、説明書の交付を義務付けているから、この理由に加えて新たな理由を追加しているから、不服申し立ての便宜を害しない。

3 よって、理由の追加は許される。

 

 

[1] 神戸税関事件(最判昭和52・12・20民集31巻7号1101頁)。

[2] 小田急訴訟(最判平成18・11・2民集60巻9号3249頁)。

[3] マクリーン事件最大判昭和53・10・4民集32巻7号1223頁)。

[4] 北海道パチンコ店営業停止命令事件(最判平成27・3・3民集69巻2号143頁)。