弁護士くろさんの雑記ブログ

受験時代に作成した演習書の解答例と司法試験の憲法の答案例をアップします。

ロースクール2年目から司法試験までの勉強方法

6 ロースクール3年生(2年目)前期

 コロナ禍でオンライン授業となり、必修科目は、前期が商法、行政法(救済法)、民事系の演習科目、刑事系の演習科目、法曹倫理、刑事実務科目がありました。

 商法は、2年生の時と同様に、担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業で、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 行政法はレジュメが配られるだけで授業が行われなかったので、自分で勉強方法を考えて実行するしかありませんでした。範囲は救済法ですので、処分性と原告適格の整理をする必要がありますが、答案の書き方がわかりませんでした。そこで、教科書の分類にしたがって、稲葉馨ほか編『ケースブック行政法〔第6版〕』(弘文堂、2018)に載っている処分性と原告適格判例を整理し、判例がどのような手順で検討しているのかを把握し、判例ごとに法令解釈の手法をメモし、判例のあてはめをまとめノートに追記しました。判例を読んだだけでは答案にどのように反映するか分からなかったので、書いてみる必要があると思い、友達と2人で相談し、司法試験の過去問の答案を書いてみようということになり、辰巳法律研究所が出しているぶんせき本の合格答案も参照しながら答案を書き、電話で検討し、その後自分で解答例を作成しました。前期は商法も必修科目があったので、行政法と商法の司法試験の過去問をそれぞれ5年分検討しました。

 

 民事系の演習科目と刑事系の演習科目は、過去の期末試験の事例問題を検討する授業でしたが、2年生の時とは異なり実務家教員が担当する授業で、授業後に自作の答案例を作成しましたが、理論的な説明が行われることが少なく、期末試験の過去問を見ていると授業で扱った問題は期末試験で出題されないことが明らかだったため2年生の時と比べると深い検討は行いませんでした。

 期末試験の2か月前からは2人で自主ゼミを組み、商法、行政法、法曹倫理、刑事系の実務科目の過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。

 

7 ロースクール3年生(2年目)後期

 後期の必修科目は、民事系の演習科目、刑事系の演習科目、憲法の演習科目、行政法の演習科目、民事実務科目がありました。

 行政法の演習科目は、北村和生ほか『事例から行政法を考える』(有斐閣、2016)の問題を検討する授業で、授業後に自作の解答例を作成しました。

 憲法の演習科目は、3人の教員のオムニバス形式で、ある論点に関する講義が動画配信される授業でした。授業を聞いて、憲法のまとめノートをブラッシュアップさせました。

 期末試験の2か月前からは、期末試験の対策を行いましたが、授業で取り扱った問題が出るわけではなく、民事実務科目を除いて司法試験のための勉強をしていれば対策になると考えたため、過去問の検討を行うことはしませんでした。

 そのため、ロースクール3年生の後期は、自分が立てた計画で勉強する時間的な余裕がありました。ロースクール入学当初から考えていたように、まとめノートはかなり洗練されてきましたが、自作の答案例については、授業の答案、期末試験の過去問の答案、司法試験の答案がありましたが、司法試験直前に読み直すための教材として有用なものに絞る必要があり、また、科目によっては他の教材の自作の答案例を作成することによって成長できる可能性があると考えました。その結果、司法試験直前に読み直すために、以下の教材の自作の答案例を新規作成又はブラッシュアップすることに決めました。

・司法試験 全科目のH23~R2

行政法  北村和生ほか『事例から行政法を考える』(有斐閣、2016)

民法   2年生のときの授業

・商法   伊藤靖史ほか『事例で考える会社法〔第2版〕』(有斐閣、2015)

・刑法   井田良ほか『刑法事例演習教材[第3版]』(有斐閣、2020)

 

 

 

8 ロースクール終了後~司法試験

 3月に模試があり、模試の結果、上位10%には入っていたため、これ以上論文の勉強をする必要はないと考え、当初予定していた通り、まとめノートと自作の答案例を読む勉強をし、勉強時間を減らして体調を整えるようにしました。

 他方で短答には自信がなかったため、午前中は司法試験の短答の過去問を解くことにし、10年分の過去問の解答を覚える勢いでやりました。おそらく15周くらいはしたと思います。

 司法試験の1週間前からは、司法試験の問題を読むことに慣れるため、令和2年から平成30年の司法試験の問題を読んで、答案構成をし、大体合っているかを自分で作成した答案例と照らし合わせる勉強を行いました。

 

9 まとめ

 私が司法試験の合格のためにした勉強方法は以上のとおりですが、自分に合った勉強方法は人それぞれであり、私の周りには、まとめノートを作成していた人はほとんどおらず、自作の答案例を作成していたという人は1人もいませんでした。

 自分には何が足りないかを考えることができ、一度勉強したことを忘れないようにする勉強方法を考えることは、最低限できるようにする必要はあると思いますので、私の勉強方法を参考に考えてみてください。