弁護士くろさんの雑記ブログ

受験時代に作成した演習書の解答例と司法試験の憲法の答案例をアップします。

ロースクール1年目の勉強方法

3 ロースクール2年生(1年目)前期

 慶應義塾ロースクールの成績と司法試験の合格率に相関関係があるというデータを公表しており、ロースクールの期末試験で良い成績が取れれば司法試験に合格できると確信し、ロースクールの勉強をメインに司法試験の準備をしようと考えました。

 ロースクールに入学してからも、学部生の時に作ったまとめノートを持って授業に臨みました。当時のノートは、自分で重要と考えた判例の論証パターンを写しただけのものだったため、自分が理解しやすい言葉で書かれておらず、網羅性に欠けるものでしたので、授業の内容を追記し、自分が納得できる言い回しの論証パターンにしました。ロースクール入試の経験から、試験直前に読み直すまとめノートの有用性が高いと感じていたため、司法試験の直前に読み直すためのまとめノートの作成をメインとして、司法試験の勉強をしようと決めました。

 また、自作の答案例も、司法試験の直前に読み直すために有用だと考えるようになり、また、自作の答案例を考えることにより、文章を考える時間が短縮されることと、思考過程が明らかになることが分かり、自作の答案例の作成もメインとして司法試験の勉強に取り入れました。

 必修科目は、憲法民法、刑法、民事訴訟法、要件事実がありました。

 民法は担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業、民事訴訟法は三木浩一・山本和彦編『ロースクール民事訴訟法〔第5版〕』(有斐閣、2019)を検討する授業でした。民法民事訴訟法は、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 刑法は、専ら講義でしたが、井田良ほか『刑法事例演習教材[第2版]』(有斐閣、2014)の答案を提出する課題が毎週課されていたので、教科書を参照しながら自作の答案例を作成しました。刑法は、あてはめも重要な科目ですので、規範に対応したあてはめができるように、判例の考慮要素と判例のあてはめをまとめノートに追記しました。

 憲法は、判例を分析し、判例と事案が違ったら判断枠組みが異なるのかを検討する授業でした。私は非常に興味を持ち、学部生のときは憲法のまとめノートを作成していませんでしたが、憲法のまとめノートの作成に多くの時間を費やしました。授業のレジュメと横大道編『憲法判例の射程〔第2版〕』(2020、弘文堂)でまとめノートのベースを作成し、宍戸常寿『憲法解釈論の応用と展開〔第2版〕』(2014、日本評論社)、渡辺康行ほか『憲法Ⅰ基本権』(2016、日本評論社)を読んで思考過程をブラッシュアップし、曽我部真裕ほか編『憲法論点教室〔第2版〕』(2020、日本評論社)で答案に落とし込めるようなノートを作成しました。憲法もあてはめ(違憲審査基準定立段階)が重要な科目ですので、判例のあてはめをまとめノートに追記しました。

 

 

 

 慶應義塾ロースクールは期末試験の問題と採点項目が公開されていたので、期末試験の2か月前からは3人で自主ゼミを組み、過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。憲法民法、刑法については何度もオフィスアワーに通いました。

 

4 ロースクール2年生(1年目)夏休み

 夏休みは、4人で自主ゼミを組み、前期に授業があった憲法民法、刑法、民事訴訟法の司法試験の過去問4年分検討し、答案例を作成しました。

 並行して、前期の成績が悪かった民事訴訟法の勉強をしようと思い、教材選びに迷いましたが、判例百選の解説から判断枠組みを読み取り、田中豊先生『論点精解民事訴訟法〔改訂増補版〕』(民事法研究会、2018)を使って、判例の事案の要件事実を整理してまとめノートに追記する勉強をしました。

 

 

5 ロースクール2年生(1年目)後期

 後期の必修科目は、民法、商法、刑事訴訟法行政法(作用法)がありました。

 民法と商法は担当教員らが作成したオリジナルの事例問題を検討する授業で、授業後に教科書や百選の解説を参照しながら自作の答案例を作成しました。

 刑事訴訟法は、井上正仁ほか『ケースブック刑事訴訟法[第5版]』(2018、有斐閣)を検討する授業でした。刑事訴訟法は、検討手順を把握することが大切ですので、斎藤司刑事訴訟法の思考プロセス』(2019、日本評論社)を使って整理し、あてはめも重要な科目ですので、規範に対応したあてはめができるように、川出敏裕『判例講座刑事訴訟法[捜査・証拠編]』(2016、立花書房)や判例百選を使って判例を整理し、まとめノートに追記しました。

 

 

 

 

 行政法は、特に復習はしませんでした。

 期末試験の2か月前からは3人で自主ゼミを組み、過去問を10年分検討し、自作の答案例を作成しました。行政法は何度もオフィスアワーに通いました。

 並行して、5人で自主ゼミを組み、前期に授業があった憲法民法、刑法、民事訴訟法の司法試験の過去問を3年分、刑事訴訟法を5年分検討し、自作の答案例を作成しました。